成田空港で牛肉の輸出が増加傾向

新生成田市場の開場も背景か

東京税関によると、成田空港における牛肉(生鮮・冷蔵 骨付きでないもの)の輸出が、直近10年間で数量・金額ともに増加傾向にある。2023年1〜11月の輸出数量は921t、輸出金額は70億1100万円で、全国輸出数量の24. 4%、全国輸出金額の26.3%を占める。また、成田空港だけではなく、全国的にも輸出が増加している。23年1〜11月に成田空港からの牛肉(生鮮・冷蔵 骨付きでないもの)の輸出は、数量・金額ともに全国の約4分の1を占める。成田空港に次いで輸出が多い港は、福岡空港、博多港、関西空港で、成田空港を含めた4港で全国分の輸出数量・金額の約4分の3を占めている。日本畜産物輸出促進協会によると、生鮮・冷蔵牛肉は賞味期限が短いことから航空便で輸送されるケースが多い一方で、冷凍牛肉は生鮮・冷蔵牛肉よりも保存が効くため、コスト面を考慮して船便で輸送されるケースが多い。また、成田空港は北米・西欧方面の国際線が多く運航していることや、22年1月に開場した新生成田市場内で輸出に必要な検疫・通関等の手続きや貨物の梱包等をまとめて行うことが可能になったことから、輸出の拠点として選択されているという。23年1〜11月に成田空港から輸出された牛肉(生鮮・冷蔵 骨付きでないもの)のうち、数量・金額ともにその7割以上が米国・台湾・香港の3ヵ国へ輸出されている。一方で、日本から近い中国や韓国は、検疫上の問題で日本産牛肉の輸入を停止している。

カーゴニュース2月1日号

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