第1章 世界からネグロス島へ
- 職種
- 国際営業
- 所属部署
- 国際 営業第2部 部長
アジア各国はもちろん、中近東諸国からアフリカ、ヨーロッパまで世界30ヶ国以上に赴いた経験をもつ、国際輸送のプロフェッショナル。フィリピン・プロジェクトでは、現地の調査・計画を担当し、全体の統括にあたる。
- 職種
- 国際営業
- 所属部署
- 国際 営業第2部 課長
アイスランド、インドネシアなど海外輸送プロジェクトの経験豊富。現在は、ニュージーランド地熱発電所建設プロジェクトにかかわる。フィリピン・プロジェクトでは海外輸送関係を担当。5ヶ月間、現地に赴き手配を行う。
- 職種
- 国際営業
- 所属部署
- 国際 営業第2部
船積み、航空便、海外代理店との連絡など、輸出入営業・業務の全般にかかわる。フィリピン・プロジェクトでも、日本からの輸送手配を担当。これまで培ってきたノウハウを生かして、スムーズな納品に貢献した。
- ※当時の職種、所属部署を記載しています。
フィリピン・プロジェクト始動!
計画を担当したT.O.さんは、05年6月からフィリピンに滞在し、現地の調査を開始しました。
「どこの港に船をつけるのか?」「どんなルートで運ぶのか?」「どんな設備を使うのか?」。
ただ輸送を手配するだけでなく、綿密に調査を行い、輸送のルートを決め、できるだけ効率的な方法を計画するのが、国際輸送の重要なポイントなのです。
フィリピン・プロジェクトの話を聞いたとき、「これは面白くなりそうだ…」と思いました。ふつうは港に貨物をあげて、陸送して、サイト(現地)に納めて、輸送は終わりです。けれども、島が多く、条件が整っていないフィリピンでの輸送は、そう簡単にはいきません。
貨物を運べる港がルソン島にしかないので、島から島に輸送しなければならない、しかもネグロス島にはクレーンがないんです。大きい貨物をどうやって港にあげるのか、ネグロス島までどう持っていくのか……。いくつも課題がありました。
でも、輸送計画は、難しいほど面白い。簡単ではないものを、現地の代理店や、官公庁などと交渉しながらコーディネートしていくのが面白いんです。
05年11月に輸送費の見積もり依頼があり、計画を見積もりに反映させて、06年1月に正式な受注となりました。
その後、いよいよA.F.とK.I.が動き出します。海外から調達した資材をフィリピンに運ぶ、輸送のコーディネートをA.F.が担当。日本から持っていく主要機器の輸送の手配・通関業務をK.I.が担当しました。二人の連携が、このプロジェクトを支えたんです。
世界の海を越えネグロス島へ
06年3月、いよいよ輸送開始!製品をつくるための資材は、シンガポール、マレーシア、インド、スウェーデンなど15カ国から調達。海外からの船積みは100回を超えました。工事を滞りなく進めるためには、予定どおりに資材が届くことは必須。
けれども世界各国から集めたこれだけの荷物が、何のトラブルもなくスムーズに届くわけがありません……。
現地へ無事に商品を届けるためには、梱包はもちろん、船積書類を作成し、フィリピンでの輸入通関に備えるなど、綿密な計画にもとづいたプロセスが大切です。
今回はスタートの段階から、部品の組み立てが遅れ、さらに書類がでてこないので船積みに進めない、船便で運んだ資材が足止めを食ってしまうといったトラブルもあり、予定が遅れていました。いちばん大変だったのが、マニラの輸入通関。書類に多少の間違いがあっても先進国なら通してくれるのですが、マニラの通関は少しでも間違いがあると止められてしまうんです。現地の代理店を動かし、交渉・調整に苦労しました。
毎日どこかの国で貨物が動いている、どこかの国で船積みしている、どこかの国の海上で船が動いている、どこかでトラブルが起きている……、そういう状況ですね。世界中からネグロス島へ船が向かってくる、それをA.F.がすべて頭に入れて、コントロールしなければならないわけです。
とても、頭の中に入らないですよ……。これだけの規模の計画が、スケジュールどおりに動くなんてことはありえません。
けれども、ひとつ歯車が狂ってしまうと工事の工程が、どんどん遅れてしまいます。本当に、一日たりとも気が休まらない緊張の日々でした。