経産省 FCトラックの需要見通しを共有

モビリティ水素官民協が中間まとめ

経済産業省は11日、モビリティ水素官民協議会の中間とりまとめを公表した。自動車メーカーと物流・荷主企業と水素供給企業が、各々が燃料電池自動車の需要の見通しを共有したもので、今後も議論の深化を図り、今年度中をメドに、政策の具体化を進めて最終報告としてとりまとめる予定。FCVの場合、航続距離が長く、充填時間が短いため、移動距離が長い商用車(トラック、バス、タクシー)や社用車としての潜在性があると指摘。幹線輸送に用いられる大型トラックや、コンビニ配送などの稼働率が高い利用方法や架装(冷蔵冷凍車・ミキサー車等)での電気消費量が多い小型?中型トラックではFCトラックが有望と考えられるとした。政府目標達成に向けた車両供給の見通しでは、FC小型トラックは、23年から限定導入した上で、25年、29年にモデルチェンジすることで販売価格を低下させ、累計1.2万?2.2万台、FC大型トラックは25年から選考導入し、29年にモデルチェンジにより販売価格を低下させ、30年までに累計5000台の供給が必要と試算した。一方、需要側の導入台数に関する見通しは、導入計画ができている事業者は少ないのが現状。省エネ法に基づくFCV、BEV等の車両の導入(非化石エネルギーへの転換)の促進策が概ね策定。FC小型トラックの実証が開始され、25年には大型トラックの実証も開始を予定。より広範囲な需要を拡大していていく必要があるとした。水素ステーションの整備では、グリーンイノベーション基金で東京と福島を先行地域に選定し、各輸送事業者・荷主のFC車両導入検討が進むエリアおよび当該エリアを結ぶ幹線に水素ステーションを整備している。今後、広範囲な需要のヒアリングを踏まえ、23年度をメドに重点地域の精緻化を目指す。費用負担に関しては、省エネ法改正に伴い新設される予定の「貨物輸送事業者に行わせる貨物の輸送に係る非化石エネルギーへの転換に関する荷主の判断基準」で、貨物輸送事業者と連携した非化石転換の促進の観点から、非化石エネルギー自動車の導入に係る協議等に関する規定を設ける予定。貨物輸送事業者から要請がある場合には非化石転換に係る費用負担について協議すべきとしている。車両規制の緩和では、大型トラックでは水素タンク設置により荷台スペースが1m程度減少することとなり、ドライバー不足等を考慮すると、全長規制についての検討が求められる。22年4月から、特殊車両の通行に関し、オンラインで即時に通行可能か判別する確認制度が導入され、今後1年以内に一般的制限値の規制緩和が必要かも踏まえ検討する。水素ステーションの開発では、大型FCトラックについては、既存水素STの充填速度では30分程度かそれ以上かかってしまう。充填時間を既存トラック並か、それ以下である10分程度とするために、大量水素供給を可能とする大規模水素STの技術開発・実証を福島等で実施。耐久性の高いホースの開発等の技術開発によるコスト低減も目指す。

カーゴニュース 07月20日号

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