財務省 特例申告納期限延長で担保取り扱いを緩和

「必要担保」から「保全担保」に

財務省は11月30日、関税・外国為替等審議会関税分科会を開催し、特例申告納期限延長に係る担保の取り扱いについて緩和する方向性を示した。国際物流を取り巻く環境がめまぐるしく変化する中、AEO制度の利用拡大により、国際物流のセキュリティ確保とさらなる貿易の円滑化を両立させることが一層重要となっている。AEO事業者の総数は堅調に推移しているものの、特例輸入者の数は100者程度にとどまっており、近年は横ばいの状況が続いている。近年の越境ECの拡大に伴い輸入貨物の申告件数が増加する中、税関としても、貨物の検査等に係る限られたリソースを相対的にリスクの高い貨物に集中的に投入できるようにする必要がある。特例申告納期限延長に係る担保を必要担保から保全担保に緩和すれば、事業者には輸入手続きに関するコストの低減等の新たなメリットが生まれるため、AEO制度の利用拡大効果が見込まれる。現行制度では、特例輸入者等は輸入申告と分離した納税申告である「特例申告」を行うことで、納税申告の前に貨物を引き取ることが可能。税関長は、関税等の保全のために必要があると認めるときは、特例申告を行う特例輸入者等に対し、担保(保全担保)の提供を命じることができる。特例申告書を期限内に提出した場合、当該特例申告書の提出期限までに納期限の延長を申請し、併せて担保(必要担保)を提供したときは、当該担保の額の範囲内で2ヵ月以内に限り納期限を延長できる。改正の方向性では、特例輸入者については、その承認や事後監査等の際に税関が財務状況の確認を行っていることから、特例申告に係る担保の取扱いと同様に、特例申告納期限延長に係る担保も必要担保から保全担保に緩和することとし、関税と同様に、内国消費税および地方消費税に関する同担保についても、必要担保から保全担保に緩和するとした。

カーゴニュース 12月12日号

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