倉庫約款、見直しに向け新たな動きも?

日冷倉が先行、日倉協も必要に応じ対応

2020年4月の民法改正を踏まえ、日本冷蔵倉庫協会(浜田晋吾会長)が改正を求めてきた「標準冷蔵倉庫寄託約款」。ここへ来て、日本倉庫協会(久保高伸会長)との連携の可能性が出てきた。日冷倉が提示した改正希望案に対し、日倉協会員事業者からも賛同する意向が多く、普通倉庫、冷蔵倉庫の標準約款を巡る今後の動向が注目される。改正民法では、民法上の寄託契約成立要件について、実際に貨物を引き渡すことを必要とする「要物契約」から、寄託申込の承諾時点から契約効力が発生する「諾成契約」への見直しが行われた。日冷倉では、要物契約を前提としている現行の標準冷蔵倉庫寄託約款との内容に違いが生じており、また、時代に即していない内容を修正し、公正な取引を促進するため、かねてから改正の検討を国交省に要望していた。日冷倉としての要望はすでに国交省に提出済みで、国交省内部で検討中だが、一昨年8月を最後に検討が一時停止している。一方で、昨年8月に日倉協から日冷倉に対し状況の確認があり、日冷倉の改正希望案を提示した。日冷倉では7日の総会で「3、4年前からこの問題を取り上げて取り組んでいるが、国交省との折衝、環境整備に時間がかかっている」と現状を説明したうえで、昨年8月以降、日倉協と意見交換を進めていることを明かした。日倉協の米田浩理事長は15日の総会後の記者会見でこれについて、「日冷倉の副会長にご出席いただき、日倉協の会員事業者に改正希望案を解説してもらった。おおむね普通倉庫の側でも改正内容は妥当だという認識は持っている」と報告。ただし、「その先どうするかについては、(普通倉庫の)標準約款についてどこをどう改正するかというところまでは手を付けていない。日冷倉で先行しているため、その動向を見ながら必要に応じて対応していくのがいちばんいいと考えている」と考えを述べた。

カーゴニュース 06月20日号

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