東ト協海コン専門部会/総会福岡部会長を再任、長時間荷待ち解消へ

東京港の問題解決に向け働きかけ

東京都トラック協会海上コンテナ専門部会(福岡淳一部会長)は13日、総会を開催し、事業計画などを決めた。任期満了に伴う役員改選では福岡部会長(日本コンテナ輸送)を再任し、新たに穐山正明氏(盛運)が副会長に就任。竹中靖氏(宇徳ロジスティクス)が業務委員長に就いた。2023年度はコンテナターミナル・バンプールおよび周辺道路の長時間荷待ち等、諸問題の解決に向け、行政やターミナルオペレーター等の関係機関へ積極的に働きかけを行い、各種マスメディアも巻き込みながら、具体的な港湾物流対策を強く求めていく。長時間荷待ちをはじめとした東京港における諸問題について、関係機関に働きかけを行うにあたり、基盤データとして調査・研究を実施し、改善の申し入れを行う。コンテナ物流を効率化するシステム「CONPAS」を活用した予約制事業や港湾の見える化事業など行政の取り組みに積極的に協力する。海上コンテナ陸上輸送業界におけるドライバー不足や高齢化の問題について実態を調査。安全運行への取り組みとして、緊締装置4点ロックの確実な実施、「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン」の遵守を通じ、トラクタ・トレーラの挙動特性を踏まえ、トレーラの横転事故やコンテナの落下事故の撲滅を目指す。このほか、特殊車両の通行適正化ついて研修会への参加を通じて再徹底。行政やターミナルオペレーターなど関係機関からの情報を必要に応じて部会員に周知する。関東トラック協会海上コンテナ部会と連携し、東京港における長時間荷待ちの早期解消に向けた取り組みを推進し、労働環境の改善を図る。福岡部会長はコンテナターミナルの「荷待ち問題」について「1月以降、解消されてきている」と報告。その要因として「貨物の取扱量が減っていることも挙げられるが、以前から部会として関係各所にお願いしていた、本船荷役のシフトを実施していただいた効果があったのではないか」と指摘した。東京港における車庫不足の問題では、大井ふ頭・JR関連用地内の駐車場が昨年9月末で契約解除となり、多くの事業者が退去を余儀なくされたことに触れ、「港湾局に申し入れ、新たな車庫として200レーンが確保されたがまだ不足している」と説明。さらに、「車庫が確保できないことが(海上コンテナ輸送からの)撤退の事由のひとつと言われている。十分な車庫用地を確保し、さらには多層階の車庫の実現に向けて取り組みを進めてほしい」と述べた。昨年、海上コンテナ輸送にも標準的な運賃が適用されたことを受け、「少しでも新運賃の届け出を増やし、実績をつくることで、健全な経営の指標とされる標準的な運賃の水準に近づく」と強調し、「2024年問題」に向けた対応を呼びかけた。なお、総会後の意見交換では、港運業者の協同組合を通さず海コン業者が直接車庫を借りられるようにすることや、コンテナターミナルの昼休みゲートオープン、海コンについては特殊車両通行許可を不要とすることなどが部会員から提案された。

カーゴニュース 06月20日号

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