警察庁 高速道路での最高速度90kmに引き上げ

大型トラック、24年4月から実施へ

警察庁は12月22日、高速道路における大型トラックの最高速度の見直しに関する有識者検討会を開催し、大型トラックについて最高速度を現行の時速80kmから90kmに引き上げることは可能とする提言内容をまとめた。警察庁ではこの提言を受け、今年4月からの引き上げ実施に向け、道路交通法の施行令を改正する方針。検討会では、現行の速度抑制装置を存置した上で、大型トラックの法定速度を「時速90kmに引き上げたとしても、交通の安全に大きな影響をもたらすとは考えられない」と結論づけた。一方、時速100kmなど90kmより高い速度への引き上げについては、「車両の安全性能が担保されていないことなどを踏まえれば、現時点では不適切」と判断。ただし、さらなる社会的要請があり、新たな車両開発等の状況変化が生じた際には、「将来的に引き上げを検討する可能性は排除されない」と、将来的な引き上げについては含みを持たせた。また、トレーラについての引き上げについては、車両構造上の特性や交通事故件数などを踏まえ「現時点では、最高速度の引き上げの結論には至らない」とした。このほか、速度引き上げと併せて、道路交通の整序化のための方策や、ドライバーへの過度なプレッシャーの抑制など適切な運行管理のための方策などの必要性が指摘された。警察庁は、政府が昨年6月に取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」の中で、現在、時速80kmとされている高速道路での大型トラックの最高速度を引き上げる考えが示されたことを受け、7月に「高速道路における車種別の最高速度の在り方に関する有識者検討会」(座長=大口敬・東京大学生産技術研究所教授)を設けて検討を進めてきた。

カーゴニュース1月4日号

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