政府/中長期計画 トラック賃上げ10%実現へ

荷待ち・荷役を年125時間削減

政府は16日、物流の「2024年問題」に対応するため「2030年度に向けた政府の中長期計画」を持ち回りの関係閣僚会議で策定した。国が告示するトラック運送の「標準的な運賃」を引き上げるととも、荷役作業料などの適正収受を促進することで、24年度のドライバー賃金について10%前後の引き上げ実現を図る。また、トラックの荷待ち・荷役作業時間について、30年度に1人当たり年125時間削減する。中長期計画は、政府が昨年6月に策定した「物流革新に向けた政策パッケージ」と同10月に策定した「物流革新緊急パッケージ」が示す施策を総合したもの。計画に盛り込まれた施策を着実に実施することで30年度に34%不足すると推計される輸送力を補う考えだ。

積載率16%以上増加、再配達率半減へ

実施項目は、(1)規制的措置の法制化(2)トラックの標準的な運賃と標準運送約款の改定(3)トラックGメンによる荷主と元請事業者に対する監視・指導の強化(4)デジタル技術を活用した自動化・機械化や標準化などによる荷待ち・荷役作業時間の削減やトラック積載率を16%以上向上(19年度比)(5)鉄道・内航モーダルシフトの輸送量を10年程度で倍増、自動運航船の商用運航の実現(6)高速道路の利便性向上(7)荷主・消費者の行動変容による再配達率の半減――などに多岐にわたる。計画の実効性を高めるため毎年度フォローアップを行うとともに、現行の「総合物流施策大綱(2021年度〜25年度)」を引き継ぐ次期大綱の策定と並行して計画を見直し、物流革新の確実な進捗を図る。

荷主の計画策定やCLO選任は公布2年後施行

今月13日、規制措置を法制化するため「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、衆議院に提出された。改正法案は、(1)荷主・物流事業者に対する規制(2)トラック事業者の取り引きに対する規制(3)軽トラック(軽貨物運送)事業者に対する規制――の3つを制度化するもの。法律が成立した後は、関係省庁で運用規則などを定める。すべての荷主・物流事業者には物流改善の努力義務を課す【公布1年で施行】。一定規模以上の荷主は特定荷主、言って規模以上のトラック・倉庫は特定物流事業者とし、効率化計画の作成と定期報告を義務化する。また、特定荷主に関しては「物流統括管理者(CLO)」を選任する義務を課す。荷主・物流事業者のいずれも、取り組みの実施が不十分な場合、勧告・命令により是正を図る【公布2年で施行】。トラックの取り引きに対する規制的措置は、元請事業者に実運送体制管理簿の作成と運送契約の書面化を義務化するほか、大手元請トラックには下請管理規程の作成と責任者の選任を義務付ける【公布1年で施行】。軽トラック事業者に対して一般トラック並みの安全対策を義務付ける【公布6ヵ月で施行】。

カーゴニュース 2月22日号

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