国土技術政策総研 国際海上コンテナ背後輸送の効率化方策で研究

内陸デポを中距離帯・近距離帯の拠点に

国土技術政策総合研究所はこのほど、「海コンドライバー不足に対応するための国際海上コンテナ背後輸送の効率化方策に関する研究」を刊行した。現状、輸出入ごとに個別にラウンド輸送を行うことが基本となっているが、官民のサプライチェーンの関係者が連携し、一定の「システム」として機能させ効率化する案を提示した。効率化のカギとなる内陸デポの活用、CRU(コンテナラウンドユース)について、海コン業者、船社、荷主、コンテナターミナル等の関係者が意識を共有し、一体となって取り組むことが重要であると提言した。 今後予想される海コンドライバー不足や環境負荷軽減への対応に関し、その解決策として背後輸送の効率化が考えられる。同研究では、関係者連携による国際海上コンテナ背後輸送の効率化方策の検討とその効果の試算を行うとともに、効率化方策を実施するための方向性に関する検討を行った。 同研究が提示した効率化方策では、近距離帯の地域からは、当面は内陸デポを介した中継輸送を行い、海コンドライバーの充足率に応じて、中長期的に自動運転や鉄道利用を導入。中距離帯の地域では、内陸デポでCRUを実施し、地域内輸送の拠点としても内陸デポを活用。中距離帯、近距離帯両方の輸送拠点となると展望した。 さらに、CRUや中継輸送の実施ならびにそれに向けた情報システムの開発、企業間連携での共通的手続きの整備等は、国際海上コンテナ輸送の実務に熟知した民間事業者が行うものもあるが、CRUのマッチング率向上などの企業間連携を推進する観点から、公的な主体による支援も検討に値するとした。 また、港湾や背後荷主が荷待ち時間の短縮を図るなど、背後輸送の関係者が共通の目的のもとで効率化に取り組むことが重要であるとし、同研究で検討した情報システムならびに標準化されたルール・手続きや関係者の取り組み状況をプラットフォーム上で共有し、関係者が背後システムの運用に活用することが効果的と提言した。

カーゴニュース11月19日号

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