30年度に向け物流のポテンシャルを最大限に

次期「物流大綱」  KPI設定で確実な目標達成目指す

国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省は1月30日、「2030年度に向けた総合物流施策大綱に関する検討会」の第8回会合を開催し、次期「物流大綱」の原案と施策のKPI(重要評価指標)の項目案を提示した。次期(第8次)「物流大綱」は、物流に関わる関係者が一致団結し、物流の持続可能性を確保することを掲げ、5つのテーマによる施策を推進することで物流のポテンシャルを最大限に∴き出すとした。今月に開催する最終会合で提言とKPI項目の内容を固め、3月末までに「物流大綱」を閣議決定する。

5つの物流政策テーマで最重要課題の解決へ

次期「物流大綱」提言案は、現在の物流を維持するために解決すべき最重要課題として、(1)担い手不足(2)デジタル化とイノベーション(3)気候変動への対応とカーボンニュートラル(4)国際競争力の強化D大規模自然災害やインフラの老朽化対策――を指摘。これらの課題に対応するため「サービスの供給制約に対応するための徹底的な物流効率化」「物流全体の最適化に向けた商慣行の見直しや荷主・消費者の行動変容、産業構造の転換」「持続可能な物流サービスの提供に向けた物流人材の地位・能力の向上と労働環境の改善」「物流に携わる多様な関係者の連携・協力による物流標準化と物流DX・GXの推進」「厳しさを増す国際情勢や自然災害等に対応したサプライチェーンの高度化・強じん化」という5テーマに基づき各種施策を実施する。

CLOへの支援や高度物流人材の育成を推進

「徹底的な物流効率化」では、自動運転トラックの普及や物流施設・道路の整備を図るとともに、ダブル連結トラックや国内航空も含めた新モーダルシフトの推進と宅配ネットワークなどラストマイル配送の維持に注力する。「商慣行の見直し」では、荷主・物流事業者・消費者の連携・協力の強化や、トラック運送業の価格転嫁と業界構造の転換を推進する。「物流人材の地位・能力の向上、労働環境の改善」では、トラック・倉庫・鉄道・船舶・港湾・航空など全モードで物流人材の確保・育成を強化。労働環境・待遇の改善や輸送の安全確保を図る。また、サプライチェーン全体の改善には、改正物効法により大手荷主に選任が義務化された物流統括管理者(CLO)の役割が重要であることから、CLOを支援する環境やCLOを支える高度物流人材の能力向上にも取り組む。

物流の国際競争力強化へ通関関連の施策も

「物流DX・GX」では、フィジカルインターネットの実現を見据え、物流標準化とデジタル化を推進。併せてカーボンニュートラルに向けてサプライチェーン全体の脱炭素化を推進する。「サプライチェーンの高度化・強じん化」では、物流の国際競争力強化をはじめ、港湾ロジスティクスの強化、サイバーセキュリティの確保、大規模自然災害に備えた物流網の強じん化に取り組む。とくに、近年の越境ECの急拡大などを受け、国際サプライチェーンにとって通関業は必要な社会インフラだと指摘。適正な業務運営を確保する施策の必要性を提言する。

KPI数値は「大綱」の閣議決定後か

 各施策は実効性を担保するためKPIを設定する。5つのテーマに沿って設定した主要KPI項目案は〈表〉の通り。「物流人材の地位・能力の向上」ではトラックドライバーの年間所得額平均と平均労働時間の基準を設定するとともに、ドライバーの若年層の割合も具体的数値とするなど、喫緊の課題である担い手不足対策として詳細なKPIを定める。なお、KPIについては実態調査が必要となる項目も想定されることから、「物流大綱」の閣議決定が行われた後、関係省庁の合議により設定される可能性が高い。 事務局が提示した次期「物流大綱」案と施策ごとのKPI項目案は大筋で承認されたが、一部の項目は修正を施すこととなった。今月に開催する最終会合で修正案を検討し、内容を確定する。 検討会の委員からは「高速道路のSA・PAの拡充や休憩施設の充実」「中小トラック事業者の車両購入への国による支援」などトラック施策に関する要望や、「標準パレットの普及促進」「倉庫への自動化機器の導入支援」「リードタイムの緩和」「40?ftコンテナの活用促進」など効率化や生産性向上を促進する施策の深化・拡充を求める意見があった。

カーゴニュース2月5日号

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