横浜港、「そばの実」の輸入で35年連続1位
数量で55.7%、金額では57%のシェア
横浜港でそばの原料である「そばの実」の輸入が好調に推移している。2022年は輸入数量・金額ともに1988年から35年連続で全国第1位の港となった。そばの実は、そば殻の付いた「玄そば」とそば殻を取り除いた「抜き実(むき実)」のものがあり、近年は「抜き実」のものが「玄そば」より多く輸入されている。22年の全国における輸入数量は、前年比5.2%増の6万8123t(玄そば3万1325t、抜き実3万6798t)、輸入金額は38.3%増の92億7100万円(玄そば36億9000万円、抜き実55億8100万円)だった。このうち横浜港の輸入数量は、3.2%減の3万7945t(玄そば1万5607t、抜き実2万2338t)、輸入金額は26.1%増の52億8700万円(玄そば18億9600万円、抜き実33億9200万円)。1988年と2022年を比較すると、全国において玄そばの輸入数量は1988年の9万1753tから66%減少しているが、抜き実の数量は1988年の81tから455倍に、現在の統計品目番号となった2010年の2万9422tから25%増加している。22年のそばの実の港別輸入シェアは、横浜港は数量で55.7%、金額では57.0%のシェアを占めている。横浜港のシェアが高い理由としては、古くから食品原料を輸入している実績があり、取扱いに慣れた物流業者が多いことや、そばの実を保管するための定温倉庫があること、そのような倉庫を輸入者が物流拠点としており、横浜港から関東、東北、甲信越地方に所在する製粉メーカーへの輸送の利便性が高いことなどが挙げられる。原産国別の輸入実績は、全国・横浜港ともに、数量・金額で中華人民共和国が第1位、アメリカ合衆国が第2位で、この2ヵ国で8割以上のシェアを占めている。中国は生産量が多く、品質が安定し、輸送日数が短く、抜き実の輸入が多いことも特徴。アメリカ合衆国は契約栽培であることから品質が高く、価格が安定しているため、玄そばが多く輸入されている。
カーゴニュース 12月5日号